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バザールと星々、あるいはFL略史


※今回の内容にはFLに関するかなり重めのネタバレが含まれます。

良いタイトルが浮かびませんでした。今回の内容はFallen Londonの背景となる物語のあらすじのようなものです。具体的には主にバザールに焦点を当てた内容になります。つまり、個々の街の歴史などにはほとんど触れません。FLの内容のかなり重大なネタバレや憶測などが含まれます。
この記事はFLをやりつくしたプレイヤーの復習にお勧めです。逆に言うとそれ以外の方には全くお勧めできません。いきなりひどいネタバレから始まる上に省略も多く、いつにもまして不親切な記事になっているためです。
今後色々な話をする前に全体の流れをすぐに確認できるようにしておくべきかと思いここに載せることにしましたが、正直役に立つかは疑問な内容です。
英語表記とカタカナ表記と日本語訳表記が混ざり合っていて大変読みにくいかと思いますが、統一する前に気力がつきました。まあ読める範囲ではないでしょうか……

あまりにもネタバレがすぎるので載せるか少し迷いましたが、英語でならこれぐらいの内容が書かれている所はすでにいくつかあるので置いておく事にしました。それにこのブログ自体そんなに見られていないのでまあいいかな、という気持ちもあり。
元々はSSkies発売までに自分が設定を完全に忘れてしまうことを危惧して、これを読めば大方大丈夫!と言う文章が欲しくなり書き始めたものでしたが、いざプレイしてみると前作の知識はそこまで必要ありませんでしたね……
という事で、これを読んでもFL以外のゲーム(Sunless Seaなど)の理解が深まるという事はあまりないと思います。Seaでもバザールは友情出演程度の出番しかないですからね。

またしても前置きが長くなってしまいましたが本文はもっと長いので覚悟してください。次はもっと短い内容にしたいですね。 切実に。
間違い等の指摘はいつでも大歓迎ですが、今回は特に不安満載なので何かあればコメントなどでぜひお知らせください。





昔あるところに一つの星があった。この世界において星はある種の知的生命体であり、彼らにはこの宇宙の法を作り、守るという役割がある。彼らはJudgement(審判)と呼ばれその光によってLawとChainとを維持している。法とはそのままこの世界の法則を意味し、例えば物理法則や「人はいずれは死ぬ」といった法も含まれる。そして法の下に治められているこの世界のあらゆる存在は『鎖』の中に特定の階級を持ち、その位を動くことが出来ない(とされている)。このあらゆる存在が階梯の中にあるという考え方自体は19世紀には極めて一般的なものだったが、一つ人類が予想できていなかったのは、自分たちと神の間には想像より遥かに多くの生物がいるという事だった。具体的にはFlukeなどは人より上の位にあると考えられている。星々は現在判明している範囲では最高位の種族。

さて、その星というのが他でもない私たちの太陽だった。彼は破滅的な恋をしていた。相手ははっきりと言及されていないが、少なくとも法に反した恋だったことは確かだ。おそらく階級の異なる存在だったのだろう。しかしそれでも彼はその相手に恋文を贈る事にした。ここでEcho Bazaarが登場する。バザールは審判たちの伝令を務める種族の一員であり、太陽に仕えていた。そして例の恋文を届ける役目を仰せつかったが、ここで問題が生じてくる。バザールは太陽に恋をしていたのだ。当然これもまた許されない恋だ。この二者の間には大きな階級差が存在するのだから。太陽がバザールと同じ気持ちを抱いていたかは疑わしい。しかし、彼らの間にはある種の子供がいる。"太陽の実験"と言及されることのあるその子供こそMountain of Light(光輝の山)、別名Stoneとして人には知られる存在。この子供も本来法の下には存在しえないものだ。バザールにはその手紙を届けることが出来なかった。何故なら相手は断るだろうと知っていたからだ。拒絶の手紙はきっと太陽の心を粉々にしてしまうだろう。そして彼は傷心に耐えきれず死んでしまうに違いない。バザールに残された選択肢は多くはなかった。というよりも、彼らは伝令としての役目を負う存在なのだから、本来は伝言を届ける以外の選択肢は存在しないはずだった。しかし、バザールは法を破り伝言を持ったまま逃げだしたのだった。

法を破った存在はどうなるか?それはNeathにある程度の期間滞在したものが地上に出ればどうなるかを見れば明らかだろう。彼らは太陽の光に対して脆弱になり、光を浴び続ければやがて死ぬ。より重い罪を犯していれば、さらに罰は重くなる。バザールの罪は審判にも認識されており、いつまでもメッセージが運ばれなければやがては罰が与えられるだろう。その時は法に反する存在であるStoneと彼女を生み出した太陽も同じ運命を辿ることになる。しかし、今のところバザールは見逃されている。その理由はこれまたはっきりしていない。Stormが見逃がしたためか、あるいは単に伝言が遅れているというのはそこまで重い罪ではなく、彼らの違反についても宇宙規模で見ればあまりにも取るに足らないものであるということかもしれない。ともかく、バザールには伝言を届けるまでに猶予が与えられたのは確かだ。

さて、板挟みとなったバザールはその猶予をどう使うのだろう?伝言を運べば太陽は死に、運ばなくとも罰を受けることになる。しかも後者の場合は娘と自分もただでは済まない。答えはシンプルだ。バザールはNeathへと逃げ込んだ。Neathがどの様にして出来た空間なのかは定かでないが(そろそろ察しがついてきたかもしれないが、この辺りの話は分からないことだらけだ)、一つはっきりしているのがこの場所には審判たちの目が届かないということだ。ここでなら他の場所では許されないようなことが行える。そしてバザールは地下へと下る道の途中で他のはぐれ者たちを仲間に加えていった(この辺りの時系列については諸説あり)。Masters of the Bazaarとして知られる商人たちやAxileから来たShapelingたちだ。バザールは彼らに"All shall be well(すべてが上手くいくだろう)"と約束した。彼らにはそれぞれに天上にいられない理由があったが、それはとりあえず置いておこう。そしてNeathに腰を落ち着けたバザールは街を地下へと落とし始めた。

ここでようやく人類が登場する。(しかしここからさらにロンドンまではさらに5000年弱掛かる。)人類文明の夜明けより、バザールはMasterたちを仲介としてその時々に栄華を誇る都市の統治者たちと契約を結んできた。具体的には、彼らの求める物を与えその対価として街を手に入れてきた。ロンドンはそのようにして地下に落ちた5番目の都市。しかしバザールは街を地下に落として何をしようというのだろう?もちろんこれは先程述べた板挟みを解決しようという試みの一部だ。バザールはどうやら伝言を伝えても太陽が死なないように、傷心を慰めるようなものを探してラブストーリーを収集しているらしい。しかしこの企ては順風満帆とは言い難い。とりわけ第2・3の都市の落下時の契約に関するゴタゴタは、いまだNeath全域に暗い影を落としている。Masterたちも不満を募らせ、当初の目的にいまだ忠実であるものは少ない。ところで、新たな街の落ちた時、古い街に住んでいた人々はどうなるのだろうか。彼らの内ある者はVenderbightなどのTomb-Colonyへと移り、また別の者はZeeへと乗り出し、中には夢の領域であるParabola(パラボラ)へと逃げ込む者達もいた。

ここで一旦Neathを離れパラボラの説明をしよう。パラボラ、夢の領域やIs-notなどとも呼ばれるこの世界とは異なる空間。パラボラという名こそほとんど言及されないが大部分の人は訪れたことがあるはずだ。例えばprisoner's honeyを舐めた時に転送される空間やSSにも登場したMirror-Marchesなどもこの領域。パラボラもまたNeathと同じく審判の目の届かない場所だが、むしろ審判が存在を認めていない場所と言った方が適切かもしれない。(恐らくIs-notという名はそこからきているのだろう。)悪魔、蛇、猫はこの空間と縁が深い生き物だ。悪魔たちはパラボラの辺境に住みNeathにも人に似た姿やそれ程似ていない姿(山羊頭の悪魔など)で現れることが出来る。一方でFingerkingsをはじめとする蛇は現実世界へそのまま現れることが出来ず人にとりつくなどして脱出を図っている。猫たちにはそのような蛇を止める役割が課せられているらしい。Neathは地上に比べてパラボラとの距離が近いと言われている。

さてNeathに視線を戻そう。ここまで説明してきたことに人間たちはどの程度気付いているのだろうか?一言で言ってしまうと全てをはっきりと理解している者は少ない。しかし一般民衆であってもバザールと女王との取引については認識しており(そのため女王は非公式にTraitor Empressとも呼ばれる)、自分たちの街がなんらかの搾取の対象になっていると勘づいている者はそこそこいるようだ。彼らは自分たちの街の歴史が終わるのを黙って待っているつもりはない。ロンドン以前より、人々はそれぞれの街であらゆる手段を用いて街の寿命を引き伸ばし、あるいは縮め、バザールとMasterたちの計略に抵抗を試みている。中でも特筆すべきはRevolutionaryと彼らを操るCalendar Councilだ。それぞれに暦上の月の名を名乗るこの12人の目指すところこそがLiberation of Night(夜の解放)である。つまり、彼らはこの詩的な名前の示すようにあらゆる光=法を消しさろうと企んでいる。FLの一部Destiny獲得時イベントなどでこれによってどのような変化が齎されうるのか、その片鱗を覗くことが出来る。LoNは人によって考え出されたものではなく、星々の間の政争がNeathにまで影響を及ぼした結果のものであることが示唆されている。しかしこの辺りについてはSunless Skiesでもう少し詳しく分かるかもしれない。そして忘れてはいけないのがLoNはあくまでFLの未来の可能性の1つにすぎないということだ。例えば他のDestinyでは人類全てが不死となるといった未来が示されている。より明るい未来もあれば暗い未来もあるが(文字通りの意味で言えば1番暗いのはLoNで間違いないが)、FLの結末がどうなるのかはいまだ分からないままだ。



以上現在判明している範囲でのFL世界の歴史をざっくりお届けしました。
とはいってもこれはあくまで現時点で有力な通説をまとめた物であり、今後の展開次第では誤りが判明することもきっと多々あるでしょう。参考程度にとどめていただければ幸いです。
全体的にあいまいな言及が多く、とりわけ太陽やバザールの思惑については情報が錯綜しており人によって解釈が分かれるところです。今のところ、最近のWhiteの意図に関する答えの中の太陽を元気づけるため、というのが一番はっきりした答えだと思われます。

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